同朋大学 教員情報   
     


  イシマキ ヨシヒロ
  石牧 良浩   研究科 博士後期課程・仏教人間学専攻・臨床心理分野   教授
■ 標題
  高機能広汎性発達障害をもつ男性のTAT反応-デイケア治療前後の比較-
■ 概要
  本研究では,精神科デイケアの利用を経て社会復帰を目指す高機能広汎性発達障害をもつ男性に対してTATの治療前後比較を行った。1回目は多くの時間をかけながらも言語量が少なく,防衛的な構えが顕著であり,反応の拒否も3枚の図版でみられた。2回目では防衛的な構えが後退し,語られる言語量も増加し,物語の内容面への言及がより具体的になった。一方で,刺激材料の知覚,感情の認知,状況の時系列的な理解,人物同士の関係性などについての変化は少なかった。本研究におけるTATの変化は,時系列的な状況理解や対人的スキル,断片的な知覚傾向などの問題は残るものの,対人関係のスキルや意欲,不安への耐性などを身につけることによって,彼が社会復帰に向かうことが可能になったことを示しているのではないかと考えられる。
   単著   人間関係学研究   第18巻2号   pp.21-28   2012/12


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