同朋大学 教員情報   
     


  モリムラ シンホウ
  森村 森鳳   文学部 人文学科   特別任用教授
■ 標題
  『武蔵野婦人』論
■ 概要
  大岡昇平の『武蔵野夫人』は発表以来、「恋愛小説としての失敗作」と評価される。本論は、作品の重層的な構築に注目する。『武蔵野夫人』はもともと従来のいわゆるロマネスクな恋愛小説ではないのである。すなわち、前半で構築したロマネスクな恋愛小説の世界を、後半では、意図的に現実と衝突させ、破壊するように構築されているということである。その重層的な構造の中で、主人公をめぐるさまざまな矛盾、葛藤・その無意識をも含む渦巻きを、自然・「性」・社会の視点から西洋的な心理学・記号学と東洋的な思想・文芸観で重層的に捉え、追求する。
   単著   昭和文学   昭和文学会発行   pp.91-102   1995/08


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