同朋大学 教員情報   
     


  モリムラ シンホウ
  森村 森鳳   文学部 人文学科   特別任用教授
■ 標題
  「殺人と食尽」を見る宿業の眼
■ 概要
  「殺人」と「食人」は、従来、日本文学において長きに亙って追求された課題である。本論は、大岡昇平の「俘虜記」と「野火」に現された「殺人」と「食人」の問題を親鸞の視座からその問題について追究する。「俘虜記」と「野火」は戦争の極限状態において露呈してくる「殺人」と「食人」という問題を正面にすえてふかく追究した作品として、戦後文学の記念碑的な位置を確立してきている。
本論は戦争においての殺人という冷酷な事実と、その殺し合いに参加した人間は生き延びるために人肉を食うという冷酷な事実を親鸞の視座、宿業のまなざしから見て、その深意について深く追求する。
   単著   同朋仏教   pp.23-52   1999/08


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