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  キタジマ ノブコ
  北島 信子   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  野村芳兵衛の生活指導観における信仰について
■ 概要
  本稿では、野村芳兵衛の生活指導観における信仰について、彼の信仰の基盤となっている浄土真宗(親鸞)の教義と信仰共同体の生活形態にもとづいて検討してきた。野村の生活指導観において、「生活」(教育)と「宗教」(信仰)は同義であり,子どもの生活(生命)を導くのは、教師ではなく、「自他を越えた無量寿」であった。児童の村小を経た野村の「協働自治」論とその実践においても、野村の信仰を基底にした教育観は深く関わっており、それは浄土真宗の信仰の生活共同体組織である、同行や講と同様の形態をみることができた。
 竹内常一が述べたように、『生活訓練と道徳教育』(1932)が刊行された頃の野村の研究関心と信仰の関連については、「宗教的生命主義」から「客観的功利主義」に、協力意志にたつ教育を協働自治にもとづく訓練に組みかえていったのであった。このような野村の教育実践の変容は、決して「生命主義」から「科学主義」へと移行したのではなく、その「科学」も信仰と深く結び付き、信仰をより深めていくなかでの具体的な実践(生活訓練)であったといえる。
   単著   桜花学園大学保育学部研究紀要   pp.25-43   2018/10


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