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  キタジマ ノブコ
  北島 信子   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  宮坂哲文の生活指導論における禅的人間形成論-「鏡清啐啄の機」を中心に-
■ 概要
  本研究において、宮坂哲文が『禅における人間形成』(1947年)で論じた禅的人間形成論が後の彼の生活指導論とどのように関係しているのかについて、中後期の代表著作を中心に検討した。宮坂は教科指導と生活指導について、教科指導の固有性は認めつつも両者は相互関係性をもち人間形成されると捉えていた。そして『生活指導』(1954年)における禅の教えである「啐啄の機」に着目した。そこにおいて『碧巌録』第一則にある「不立文字、直指人心、見性成仏」は「啐啄の機」にも通底しており、経典学習中心としたかたちで仏心を得ることはできず、「直接人心を探究し、心の本性を見究めて成仏する」ことであった。「啐啄の機」の教えにおいて、師は弟子の自己指導を願い、「機」を逃さないという禅道を探究する者同士としての、学び合いが表されていた。このことは宮坂の生活指導論における教師と子どもの関係、人間形成論にもつながると考えられる。
   単著   同朋論叢   同朋大学同朋学会   110号   pp.45-65   2025/03


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