同朋大学 教員情報   
     


  キタジマ ノブコ
  北島 信子   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  仏教と教育における人間の主体形成-宮坂哲文と東井義雄の理論を中心に-
■ 概要
  宗教を自身の教育理念の基底にし、教育・研究活動を行ってきた教師・教育学者として、曹洞禅の出身である教育学者の宮坂哲文と、浄土真宗本願寺派の僧侶で公立学校教員でもあった東井義雄を取り上げ、両者の共通点を探った。両者の宗派は異なるものの、通仏教、宗教学的視点から検討すると、人間の主体形成のあり方を教育学の理論と実践で探究している点が共通していることが明らかになった。宮坂は教科指導と生活指導の関係を相互関係性にあるとした。宮坂の「啐啄の機」の生活指導論的解釈は、道元禅師の『正法眼蔵』、そして禅の教えである『碧巌録』が基底にあった。東井の実践における「生活の論理」と「教科の論理」はまさに宮坂の理論の具体化であった。それは東井が浄土真宗の教えを通じてめざめさせられてきた「子どものいのちを預かる」という自覚、子どもの内なる声から自身の実践を厳しく省察することである。両者における宗教を通した人間の主体形成は共通しているといえる。
   単著   日本仏教教育学研究   日本仏教教育学会   第33号   pp.5-33   2025/03


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