同朋大学 教員情報   
     


  モリムラ シンホウ
  森村 森鳳   文学部 人文学科   特別任用教授
■ 標題
  劉備の義
■ 概要
  本論は文学鑑賞の立場から、『三国演義』を基にして、劉備の身に現れた義を中心にして多くの人に『三国志』として親しまれる作中の人物の面白さを味わいながら論を展開していきたいと思う。
劉備とは『三国演義』の中での「義」の代表的な人物である。
 「仁・義・礼・智・信」のなかでの「義」の意味は自己の人格を美しくする。その美しさの基準は、儒教思想である。義は儒教文化の雰囲気の中で育てられた中国の知識人にとって、もっとも大切なものである。それは個人的なレベルにとどまらず、一種の民族精神として、代々と伝わって、民族心理の深層部に沈殿している。また表層的な観念や感情と、倫理道徳にとどまらず、感覚の隅々までにしみ込んで、無意識心理までに内面化される。劉備の身に現れた義はそういうものである。「義」は劉備の人格的な魅力の核であり、芯であり、劉備の人生を貫くものである。
   単著   同朋文化   2008/03


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