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フクダ タクミ 福田 琢 文学部 仏教学科 教授 |
■ 標題 『大善見王経』再考 ―他界・梵天・四無量心― |
■ 概要 『大善見王経』はそれは大善見王の都であるクシャーヴァティーの描写が、浄土経典における阿弥陀仏の極楽浄土の描写と明らかに類似していることによって、初期仏典のなかでも重要視されている。しかし従来、研究者たちは、この説話が『大般涅槃経』に挿入された一編であり、ブッダはクシャーヴァティーの壮麗な景観を、涅槃を得ることの安楽を視覚的に描写するものとして語っていることについて、あまり十分な注意を払っていないように思う。その都で王は四無量心を実修する。それは過去の業を浄化するはたらきがあるといわれている瞑想修行であり、また「四梵住」とも言われるように、王は結果として梵天に転生する。「梵住」の語はインドの宗教的伝統においては、究極の達成や救済を意味している。このように、『大善見王経』と浄土経典を比較するには、表面上の記述だけでなく、その背景における意味まで検討する必要があると思われる。 単著 印度学仏教学研究 日本印度学仏教学会 pp.1-8 2022/03 |
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