同朋大学 教員情報   
     


  オザワ ヒミコ
  小沢 日美子   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  「他者理解の発達における「theory of mind」形成の意味 社会環境学的検討」
■ 概要
  他者理解研究の一つでもある「theory of mind(ToM):心の理論」研究は,Premack & Woodruff(1978)の霊長類を対象にした研究に端を発している。Wimmer & Perner(1983) が,幼児に実施した「false belief task」は大変良く知られる。その後,Baron-Cohen(1995)は,「theory of mind」の形成の過程について,「注意共有機構のモジュール」を論じ,三者関係が社会環境におけるさまざまな情報の認識,また,社会適応の基盤となるとした。そのため一者関係的認識に基づく「false belief task」の通過は,「theory of mind」の形成とは同義とは捉えられにくい。成人期における「theory of mind」研究では,対象者自身が,「theory of mind」課題の回答の際,すでに前提としていることを把握することが欠かせな。したがって,今後の「theory of mind」の発達的検討でも,自己―他者―対象との間の関係発達を捉えた社会的環境適応との関連で検討されることが重要である。
   単著   尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編   第50 巻   pp.83-93   2018/03


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