同朋大学 教員情報

モリムラ　シンホウ   森村　森鳳   文学部 人文学科   特別任用教授

■ 標題   私の見た野間宏文学

■ 概要   野間宏の文学は日本の伝統的な私小説の狭い枠から抜け出て、複雑な日本社会の広漠たる現実の映像を提示した。しかしそれは社会的現実を着雪に映したものでもなく、歴史の真実に対しての直言でもなく、亦その記載でもない。野間宏文学は、深甚な歴史感覚によって時代の脈動に触れ、社会の深層的な真実の発現にまで昇華するものである。中国では長い間、野間宏文学の社会性に関した評論が行われ、勧善懲悪の枠に野間宏文学を位置づけているが、私は、伝統的な現実主義の社会悪への批判を超えたところに注目し、深層的な真実を探る。    単著   『野間宏作品集』月報   岩波書店   pp.80-86   1989/08

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