同朋大学 教員情報   
     


  イシマキ ヨシヒロ
  石牧 良浩   研究科 博士後期課程・仏教人間学専攻・臨床心理分野   教授
■ 標題
  TATからみた広汎性発達障害者に関する臨床心理学的研究-精神科デイケアでの関わりを通して-
■ 概要
  広汎性発達障害のTATの特徴と,デイケアでの成長に伴うTATの変化についてまとめた。「小さな社会」である精神科デイケアと「現実のミニチュア」であるTATは互いに類似した側面を持っている。それゆえ,精神科デイケアにおいて,スタッフはメンバーの行動の意味を理解しやすく,また検査の受け手であるメンバー自身の洞察も進みやすいのではないかと思われる。本章では,広汎性発達障害をもつ人たちが通う精神科デイケアでTATを用いることの有効性を提言した。それは,TATをデイケア利用前に実施し,防衛や不安を表す指標がみられた場合には無理のない構造を提示し,デイケア活動の中でメンバーに変化が認められた段階で再検査を行い,成長を確認していく形である。TATの中に変化がみられれば,特性に留意しつつ社会復帰にシフトし,変化がみられなかった場合は,フィードバックを通じてその要因をともに考えつつ,支援方法の再検討を行っていく必要があることについて触れた。
   単著   愛知学院大学学位請求論文   2013/03


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