同朋大学 教員情報   
     


  オオハシ テツヤ
  大橋 徹也   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  「介助場面における障がい者と介助者間の権限の譲受に関する研究―介助者側のスキルに焦点を当てて」
■ 概要
  調査結果より、実際の介助場面では、障がい者から介助者への権限委譲が行われていることが明らかになった。その具体的場面を分類すると、体調不良などで、障がい者が意思決定権を介助者に対して全面的に委ねるという場面もみられた。その一方で、障がい者の意思決定過程において「提案」や「情報提供」という形で介助者が関与したり、「細部の決定」を介助者自ら行うことで、障がい者の決定を部分的に支援する場面が多くみられた。これらの支援の頻度は、両者の回答から時系列によって変化があることが推察される。今後、さらに詳細な質的調査を行い、支援の変化のプロセスを明らかにする必要がある。
 権限委譲が促進される介助者の要件をみると、障がい者の回答と介助者の回答が類似しており、「傾聴」や「共感」といったカウンセリングマインドの構成要素が挙げられていた。これらのことから、「権限委譲」を含め、各構成要素は因果関係や相互作用関係にあることが示唆され、この点に留意して、介助者用カウンセリングマインド尺度を開発する必要があるといえる。

本研究は、平成25 年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(研究課題番号:
25380828)の助成を受けた。
   共著   『九州保健福祉大学 研究紀要』   Vol.14,97-101   2010/03


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