同朋大学 教員情報   
     


  ワタナベ ユキヨシ
  渡邊 幸良   社会福祉学部 社会福祉学科   教授
■ 標題
  ミュルダールの予防的社会政策
■ 概要
  ミュルダールは、新マルサス主義の生態的分析として結晶していた最適人口論を動態的観点から批判し、人口問題における政治的要素を究明した。そして、従来の社会政策を社会病理学的にとらえ、社会病理を正義にもとで慈悲によって処方する治療的社会政策と呼んだ。そこで、彼は、人口問題を契機に、経済効果を指標として社会扶助から社会投資への転換を図り、さらに家族政策を強調することによって、社会経済的政策から予防的防止政策としての予防的社会政策へ急進的に発展しなければならないと主張した。この人的資源への投資である予防的社会政策は、量的目的と質的目的の両方をもつ人口政策と結び付けられ、治療的社会政策の対象に加えた住宅、栄養、健康、教育の諸標準を引き上げるために、異なる家族や所得階層に、計画的に現物給付で垂直的再分配と水平的再分配を行うものであった。
   単著   中央大学経済研究所年報   中央大学経済研究所   第47号 創立50周年記念号   pp.447-460   2015/11


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