教員情報   
     


  ヤマグチ マキコ
  山口 真季子   音楽学部 音楽学科   講師
■ 標題
  シェーンベルクが見るシューベルトのポピュラー性と独創性
■ 概要
  平成29年度科研費補助金(研究活動スタート支援)助成による、ウィーンでの調査(2017年6月)に基づく。日本音楽学会第68回全国大会での発表内容を改訂した。
作曲家アルノルト・シェーンベルクはバッハやベートーヴェン、ブラームスら過去の巨匠たちの作品を高く評価し、ドイツ音楽の伝統に続く者としての自負を持っていたことが知られている。その中でフランツ・シューベルトという作曲家についても、シェーンベルクが評価していたことは窺えるものの、どのような観点から、どの程度評価していたかについては見解が定まっていない。本研究では、シェーンベルクが所蔵し、書き込みを残したシューベルト作品の楽譜(ウィーンのシェーンベルク・センター所蔵)に着目することによって、シェーンベルクがシューベルトを新たな観点から解釈しようとしていたことを示した。すなわちシューベルトの音楽を従来の動機労作に基づくソナタ形式に当てはめるのではなく、その音楽に大衆的な音楽形式の特徴といえる並列的な楽曲構造を指摘しつつ、その独創性を評価していたことを明らかにした。
   単著   アリーナ   中部大学   pp.129-139   2019/11


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