教員情報   
     


  ヤマグチ マキコ
  山口 真季子   音楽学部 音楽学科   講師
■ 標題
  ディーター・シュネーベルが見るシューベルト作品における時間構造
■ 概要
  ドイツの作曲家で音楽学者でもあるディーター・シュネーベル(1930-2018)は、「解き放たれた時を求めて―シューベルトついての第一の試論」(1969)においてシューベルトの音楽を音楽的時間の観点から論じている。本論文ではこの論考においてシューベルトの独自性がどのように論じられているのかを検討した。またシュネーベルのシューベルト論がどのような背景のもとで培われたのかを探るため、シュネーベルが1957年に執筆した「時間の形成における形式:コンポシティオ」を参照し、音楽的時間に関する彼の考え方に目を向けた。その結果、音楽的時間は音響的に組織されてはじめてはっきりと感じられるものであるということがこれら2つの論考を通じて前提となっていること、またシューベルトに関する1969年の論考では、「時間の直接的な造形」にシューベルトの特質が見いだされ、まさにその点においてベートーヴェンの対極に位置づけられていることが分かった。本研究は、JSPS科研費 JP20K12852の助成を受けたものである。
   単著   名古屋音楽大学研究紀要   pp.53-66   2022/03


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