名古屋造形大学 教員情報   
     


  マキ ヒロユキ
  牧 博之   造形学部 造形学科(講義系等 専任・特任)   特任教授
■ 標題
  ベルクソンの哲学観についての一考察
-実在の表現を通して-
■ 概要
  修士論文を日本語訳し、若干手を加えた論文である
ベルクソンの新しい存在論は直観による認識が不可分であることを最初に示し、その表現に言語がいかに無力、不適当であるかを論じ、それゆえ著述とはいかにあるべきかを示そうとした論文である。そのためには前要約にも示した通り、媒介的イマージュがその大きな役割をになうことが可能で、それらを使って哲学者は読者をみずからの直観へ導くのであることを役目としていることを示した。哲学をこのように考えるベルクソンにとって、哲学は、直観は漸進的に進んでいくものである。さまざまな哲学があり、科学が存在するが、それらの哲学者、科学者の直観は単純なとても明晰なものである。それらの直観へ自ら立ち戻り、それらの直観の方向へ更に進んでいくこと、これこそがベルクソンが考える哲学であったことを私はこの論文で示した。彼が『形而上学入門』で言った「形而上学は積分的経験である」とはまさにこのことであることを論証したのである。  A5  pp15-42
   単著   南山大学大学院論集『葦Ⅸ』   南山大学 大学院文学研究科仏文学専攻   1985/09


Copyright (C) NAGOYA ZOKEI University of Art & Design, All rights reserved.